「ほら、しっかりしなさい。男なんでしょ?あ、でももう男じゃないかもしれないのか」女性に肩を貸りながら、男は小さな診療所の扉をくぐる。
痴漢をした女性に電車から連れ出され、「どうする? 警察に突き出されるか、おしおきに金蹴り10発くらうか?」と聞かれ、男は金蹴りを選んだ。
しかし、男の選択は間違いだった。
彼女のつま先は確実に睾丸をとらえ、たった一発で潰れてしまったのだ。
しかも彼女はそれで許さず、残りの9発分として、うずくまる男の手をはらいのけ、残った金玉も握り潰してしまった。
「ばかね。痴漢はみんな警察か金蹴りかって聞くと、必ず金蹴りって答えるのよね。私、性犯罪者は去勢してやることにしてるの。さあ、そのまま救急車呼んだら結局痴漢がバレて警察捕まっちゃうでしょ?潰した男をいつも治療してもらってるところがあるから、そこに連れてってあげるわ」そういって連れてきたのがこの病院だ。
診察室は小さな診療所の外見からは意外なほど近代的な設備が整っており、男はそこのベッドに寝かされる。
さらに男が驚いたのは、出てきた医師が驚くほど美しい女性であることと、それには負けるものの可愛い看護婦が5人もやってきたことだ。
「またやったのね。今月に入ってもう4人目よ。少しは手加減しなさいよ」「なに言ってるの。性犯罪者なんてのさばらせておけるわけないでしょ」女医彼女の言葉にクスリと笑い、「それもそうね」と言って診察に入る。
「まず触診して睾丸のダメージを確認するわね」そう女医が言うと、看護婦たちが手馴れた手つきで男の足を開き、手足に乗ってくる。
ベッドに5人がかりで体重をかけて押さえつけられては、男といえ身動きひとつとれない。
「ちょっと痛いと思うけど我慢するのよ」女医の手が男の股間に伸び、膨れた陰嚢をむんずと掴み、触診と言うにはあまりに乱暴に潰れた金玉を揉む。
潰されたときの痛みとはまた違う激痛に、男は悲鳴を上げて暴れようとするが、ほとんど身動きがとれなかった。
「とりあえず、両方とも薄膜が破裂して潰れてるのは確かね。でももう少し我慢しなさいね。無事なところがあればちゃんと治療してあげるわ」さらに女医は細い指に容赦なく力を込めて、中身をひとつひとつ確かめるようにうごめく。
指先が潰れたタマの残骸を見つけると、その形と弾力を確かめるべく、さらに力を入れてつままれる。
「ここはもうダメね……。こっちは……あれ?さっき診たところかしら? 中で動くからよくわからないわね。悪いけど診察しにくいから、ダメになってるところは区別するために完全に潰しちゃうからね。どうせ潰れて使い物にならなくなってるんだから別にいいわよね?」男は「やめてえええええ!」と絶叫するが、クスクスと笑う看護婦たちにたしなめられるだけだった。
「まず、ここはだめね。組織が千切れてるみたい」女医は宣言どおり、ためらいなく潰れている肉片を指先ですり潰す。
グジュリグジュリという感触とともに、地獄のような苦しみが襲ってくる。
「ここもダメね……」グチュ グチュ グチュリ。
「こっちも……ダメ……と」グヂュリ。
グチュ グチュ……。
「これも……」グチャ グチュ……。
「……うーん」ブチュ ブチュチュ……。
息も出来ないほどの痛みに、何度か気を失いそうになるが、そのたびに新たな痛みに飛び起きることになった。
「あとは……あら、もう残ってないわ。やっぱり無事だったところはひとつもなかったみたいね」看護婦たちから「あーあ」「やっぱりね」「グチャグチャだ」「私もやってみたいのに、先生ったらいつも全部すり潰しちゃうのよね」と、次々に笑いの声が漏れる。
「どれ、たまには私にも触らせてよ……」最初に男のタマを潰した張本人の美女が、ブヨブヨとした饅頭のように変形した陰嚢を掴む。
「……ほんとだ。見事なものねえ。もうそれっぽいものはカケラも残らずグチュグチュになってるわ。ひき肉が入ってるみたい」この“触診”によって、男の潰れたタマはすっかりすり潰されてしまった。
押さえつけられて手も出せない男にも、それは感覚としてわかった。
男の股の間にはもう、タマが入っていた痕跡すら残っていないはずだ。
「破れた薄膜から精巣が完全に飛び出してたわ。まあ中に残ってたのもあったみたいだけど、あれだけ致命的なダメージを受けてたら修復も無理だしね。男性器としての回復は完全に不可能だったわね……」「あなたがみんなすり潰したからじゃないの?」「なに言ってるの。私が潰したのは潰れて手遅れになってた組織だけよ。この男から生殖機能を奪ったのはあなたなんだから」「そりゃそうよ。そうなるようにみっちり潰したんだもん。じゃあ痴漢男さん、そういうわけだから、あとは袋の中のタマのミンチを出してもらいなね」「まったくこの子は……性欲は後天的なものだから、性犯罪者の去勢と言えばペニスも摘出しなくちゃいけないって、何度も説明したでしょ?」「それはだまっててもやってくれんでしょ?」「もちろん。さあ手術を始めるわよ」こうして男は1日に3度の地獄を見た。
切開した陰嚢の切れ目から、睾丸の残骸をかき出され、薄膜と精索も引き出されて看護婦に引きちぎられ、残ったペニスも、女医に根元から切り取られて女医の引き出しに入った、おびただしい数の標本に加えられることとなった……。