~某日の朝~
俺「やばい遅刻だ!今日は朝から塾だった!とにかく急げ!俺の再受験がかかってんだ!くそ、高2で中退しなければ!」
一方
唯「遅刻だ!そうだ。今日は憂、日直だった。高校3年生にもなって遅刻なんて、と言うか憂がいなくてもちゃんと出来なきゃ!もうじき大学生で1人暮らしするのに!」

ごっつん!

俺「痛てて。」(なんか手の先にプニプにした感触が…って目の前にパンツが!しかもタイツ越しで柄が水玉って俺何してんだ!俺は変態か!)
唯「痛てて。」(なんか胸がくすぐったい。気のせいだよね。)「って今確実に!私の胸揉んだよね!そしてパンツ見たよね!」(しかも足開いてた。って事は見られた。)
「ひゃあ!ごめんなさい。決して悪気があった訳じゃないけど。とにかくごめんなさい!!」唯(どうしよう。私男の人にパンツ見られた上に胸まで触られた。)

~塾~
先生「どうした。暗い顔して。てか遅刻だぞ!そんな顔しても無駄だぞ」
俺「本当にスミマセン。今朝起きたら寝相が悪くて壊していたのか、目覚まし時計が壊れてました。」
先生「まったくうっかりにも程があるぞ!ていうか何故それなら電話しなかったのだ!電話してくれれば先生は貴方を叱らずに済んだのだぞ。こんな調子で高校行ってたら、また高校中退するぞ!就職してたらもっとアウトだ!まあ、済んでしまった事は仕方ないからいつも通り授業始めるぞ。」
俺「はい。お願いします。」(準備…あれ、なんか教科書が違うような、、、、気のせいか。)

俺「先生!この問題はどう解くのですか」
先生「この問題はこう解くんだ。わかったか?」
俺「はい!ありがとうございます。」
~昼~
俺(何か弁当がいつもと違う…まあ、気のせいだよな。)

~桜ヶ丘女子高等学校~
律「唯、思いっきり遅刻だぞ!憂ちゃんいるのにどうしたんだ?」
唯「実は、今日憂が日直だって事忘れててさ、起きたら寝坊してたんだ。」
律「ったくそんなんじゃ大学どうすんだよ!大学に行ったら一人暮らしだぞ!」
唯「面目ない!りっちゃん隊長!今後は気をつけますのでどうかお許しを!」
律「はいはい、もう過ぎたことは仕方ないから、授業受けようぜ!」
唯(授業の準備…あれ、なんかカバンの中身違う、気のせいだよね)
さわ子「じゃあ平沢さん、この問題解いてみて」
唯「これはこうでこうなってこうなります」
さわ子「あれ、平沢さん。それ解き方も問題もぜんぜん違うんだけど…まあいいや、○○さん平沢さんの代わりにこの問題を…」

~昼休み~
唯(何か、今日の弁当いつもと違うような。まあいいや、食べよう)
律「唯どうしたんだ?さっきからの唯変だったぞ!」
紬・澪「私達も同感」
唯「別にいつも通りだよ。」
律「唯、ちょっと教科書見せてみろ!」
唯「いいけど。りっちゃん達こそどうしたの」
律「これ、私達と違う教科書じゃいか!まさか憂ちゃんのと間違えたのか?」
唯「そうなの?知らなかった!ちょっとカバン見てみる」
唯「りっちゃんの言うとおりだったよ。やっぱりこれ私のカバンじゃない。でもあずにゃんにそっくりな人の写真がしかも隣に男の人と2人で写ってる。ていうか後ろにあずにゃんと男の人の名前が!私、あずにゃんと間違えたかも」
唯「ねえ、あずにゃん私のカバンと間違えてない?」
梓「唯先輩、何言ってるんですか?悪いけど私間違えてませんよ。」
唯「じゃあこの写真何?あずにゃんって彼氏いたの?」
梓「そ、それは…」(言えない。中学の時転校した私の幼馴染だなんて)
唯「隠さなくていいんだよ。もうあずにゃんったら照れ屋さんなんだから。」
梓「別に照れてないよ」
澪「こら唯、梓が困ってるだろ!って聞いてない」
唯「でも顔真っ赤だよ」
梓「そ、それはちょっと熱があるだけです」
唯「なら保健室へ行かなきゃ。じゃあ行くよあずにゃん」
梓「ひゃい」
澪「ったく唯はどこまで梓を困らせたら気が済むんだ。憂ちゃんからも言ってやってよ」
憂「澪さんの言うことよく分かります。でも、おちゃんの笑顔見るとすごくほっとするのです。」

~保健室~
唯「あずにゃん。熱あるなら無理しちゃだめだよ。」
梓「はい」(言えない…。幼馴染のこと思い出して懐かしさの余り涙が出るのを我慢してたなんて。)
律「ほら唯、そろそろ授業始まるぞ。梓、元気でな」

~放課後~
唯「あずにゃん大丈夫かな?」
澪「はじめに困らせたのは唯だろ」
唯「だよね。て言うかさ、実はね、今朝男の人とぶつかってね、パンツ見られた上に胸揉まれたの。その時にね、カバンが入れ替わっちゃったみたいなの。ひょっとすると、その男の人ってあずにゃんの幼馴染だったかな。澪ちゃんはどう思う?」
律「唯、そう言う事は早く言わんかい!」
澪「そりゃ私だって律と幼馴染だし、唯だって和と幼馴染だから、梓に幼馴染がいてもおかしくないじゃない?でも、そうなると、ムギはどうなのかな?」
紬「私も幼馴染はいるわ。ただ、その人は海外にいるから、学校も違うけど」
梓「スミマセン。遅くなって心配かけました。先輩達一体何の話してたんですか?」
唯「ねえねえあずにゃん。あずにゃんって幼馴染いるの?」
梓「おさななじみ?」
紬「唯ちゃんなら和ちゃん、りっちゃんなら澪ちゃんって感じで」
梓「じ、実はいます。」(言っちゃた…。どうしよう…)
唯「あずにゃん。そんなに恥ずかしがらなくても大丈夫だよ。学校は違っても幼馴染は幼馴染じゃん。ムギちゃんなんか、海外にいるんだよ!」
梓「実は、少し言い難いんですが、唯先輩の家の近くなんです。行けば分かると思います。」
唯「ごめんねあずにゃん。私、写真見た時、こっそりデートしてるのかと思ってて。そうなんだ。幼馴染だったんだ。」
梓「私が幼稚園の頃の話です。私その頃すごく恥ずかしがりやで、誰かと一緒に遊びたくても誰も誘えなかったんです。そんな時です。退屈そうにしている私を見て、一人の人が声をかけてくれたんです。私はその時、嬉しさの余り思わず泣いてしまいました。そしたら、『どうしたの』って。それ以来、私はその人と毎日遊んでました。しかし、中学2年生の時です。彼の両親の仕事の都合で彼は転校してしまったのです。私も彼もお互い離れ離れになる事はすごくショックでした。その日の夜は、その頃私はもう中学1年生でしたが、お恥ずかしながら、彼と一緒にお風呂に入り、一緒の布団で寝ました。彼が引っ越した後も時々彼は私の家に来てくれました。勿論私も彼の家に行ったりしました。そして、転校してから2年後彼は高校生、私は中学3年生になりました。しかし、彼が高校生でいたのも本の束の間でした。彼は、高校で嫌がらせを受け、たった1ヶ月で中退してしまいました。それ以来、彼は長年付き合ってきた私でさえも拒絶するようになり、家からも一切出てきませんでした。めは彼と一緒の学校に行きたいと思っていましたが、行っても彼はいないし、彼のようになりたくないと思いこの高校へ希望を変更しました。でも唯先輩のおかげでなんかホッとしました。その時彼はどんな様子だったのか、分かりませんが、彼がやっと心を開いてくれたみたいで、安心しました。こちらこそ、昼休みは素直になれなくてすみません。」
律「よーし!じゃあ梓の幼馴染の所へ出発!」

~自宅~
俺「やっぱり今日のカバンの中身変だな?たまにはカバンの中を整理するか。…あれ、この身分証明書明らかに俺のじゃねぇ。てか、女子高生のじゃねぇか!まてよ、そう言えば、今朝、女子高生の人と衝突したな。って事はその時にカバンが入れ替わったのか!じゃあ、俺のカバンがその人の元へ!こうしちゃいられない。すぐにその人の家に届けないと。身分証明書の住所を見る限り、俺の家と地区同じだから、そんなに遠くねぇ。そうだ!ちゃんとお詫びしておかないと。何かお詫びになるものっと。あった!これを渡そう。本当は、今日俺の誕生日だから食いたかったけど。この際仕方ない。文字は書いてないから人にあげても大丈夫やし。あと、親がくれた5万円も慰謝料として渡そう。」

~自宅の外~
俺「えーと、平沢って家探さなきゃ。おっと早速我が家の隣に発見。とりあえず『平沢唯』って名前の人いるか聞いてみよう。」

~平沢家の玄関~
俺「ごめんくださ~い」
憂「はーい」
俺「スミマセン。お宅に『平沢唯』って名前の方いらっしゃいますか?」
憂「はい、いますが、どちら様ですか。ひょっとして、中野梓さんの知り合いですか?」
俺「はいそうですが。って何故俺が梓の知り合いって事知ってるんですか?」
憂「実は、今日、学校で貴方と梓ちゃんが一緒に写ってる写真を見たんです。」
俺「そうですか。と言うより今、平沢唯さんって方いらっしゃいますか?」
憂「今は出かけてます。おちゃんに何の用でしょうか?私、おちゃんを悲しませるような事だったら貴方をただじゃおきませんよ。」
俺「実はこれ、今朝、その平沢唯さんって方とぶつかってしまい、その時に俺の荷物と彼女の荷物が入れ替わっちゃったみたいです。俺自身気づいたのが、塾から家に帰ってからで、無論本来その人の物であろう、ノートを一部使用した上に昼飯を食べてしまいました。本当に申し訳ございませんでした。お詫びとしては難ですが、これ本人に渡しておいて下さい。これで許さないって事でしたら警察に通報していただいても結構です。あと、お手数ですが本人が帰って来たら、本人が持っている方の荷物を私の家に持って行くよう伝えてください。俺の家は、平沢さんのお宅の隣の『禁則事項』って名字の家ですのですぐ分かると思います。それでは、私はこれで失礼します。あと、梓の事よろしく!」

~下校中の唯たち~…