発生日:1970年8月8日夜から9日未明



被害者:埼玉県の工員40歳と妻37歳、長男11歳、次男8歳の4人が

     殺害され、そして言わずもがな37歳妻が犯された。

     この犯罪の異常性は、37歳の兄嫁を犯すために、他の3人の

     肉親を全員殺害したところにある。兄嫁を犯すだけなら、例えば

     昼一人でいるところを狙うとか、もっと効率的な方法も考えられよう。

     しかし、彼が達した結論は、家族全員の惨殺であった。



犯人 :被害者の夫の実の弟、当時34歳。三男だった。

     幼い頃から手癖が悪く、覗きや窃盗の常習犯で、前科が3件あった。

     警察の捜査でも異常な殺人鬼とされた彼は、他人の命に無頓着な

     だけでなく、自分の命にも無頓着で、控訴することなく死刑が確定、

     執行された。

     終始犯行を淡々と自供した彼の唯一の後悔は、殺害した兄嫁の




     肉を食べなかったことだという。



事件概要

 重なり合い、うごめく男と女。男は、それを窓越しに覗きながら、熱くたぎった自分の肉棒を取り出し、手淫し始めた。男が覗いているのは実の兄の寝室だった。つまり部屋の中で交わっているのは、兄とそしてその妻だった。男より6歳年上の兄は、長男でありながら実家を離れ、夫婦と2人の息子の一家4人で実家から程遠くないところに、建売住宅を購入して生活していた。男はその庭先に侵入し、暗闇から兄夫婦の性生活を覗き見">覗き見ていた。

 彼は、兄嫁が昔から好きだった。といっても、男の場合、女性として愛していたという表現は相応しくない。その肉体に異常な執着を持っていた。そして、一度はその肉体を蹂躙したことさえあった。まだ兄嫁が嫁いできて間もない頃、兄嫁を襲い、強姦したのだ。

 あの日のことを思い出すと、男は未だに股間が熱くなった。その日は、両親が行に出かけて不在であったため、2人の兄が仕事に出かけると、家には新婚の兄嫁だけが残されていた。男は躊躇することなく兄嫁に襲い掛かり、そして、その身体を貫いた。兄が仕事から戻り、自分を兄嫁から引き剥がすまで、男は時が過ぎるのも忘れ、兄嫁を犯し続けた。

 男の兄は、真面目で大人しい性格だった。しかし、その日は怒り狂った。涙を流し震える兄嫁の前で、兄は男を何度も殴った。男には兄が怒る理由など分からなかった。兄嫁だって、いろんな男に可愛がられた方が気持ち良いに決まっていると、男はそう思っていた。しかし、その事件をきっかけに、兄は両親ともほぼ決別し、実家を出て行き、そして兄嫁も男の前からいなくなったのだった。

「姦りたい」

男は、兄の家の庭先に、自分の精液を撒き散らしながら、強くそう思った。2人の子どもを産み、更に円熟味を増した兄嫁の身体は、文字通りの意味で美味しそうですらあった。ましてや窃盗で逮捕され、しばらく刑務所にいた男は、女の身体に飢えていた。

 実をいうと、その日の午後、男は兄嫁を訪ねていた。無論犯すつもりであった。しかし、兄嫁は男の顔を見ただけで扉を硬く閉ざし、警察を呼ぼうとさえしたのだ。その時はひとまず退散した男ではあるが、決して諦めた訳ではなかった。むしろ、兄嫁の肉体を目の前に空しく手淫したことで、男の欲望は高められ、男の兄嫁の肉体に対する執着をより強くしていた。

「殺してでも犯してやる」

男は、そう考えていた。



そして、その日はやってきた。

実家から、薪割りを持ち出した男は、夜が更けるのを待ち裏窓から兄の家に忍び込んだ。襖を開け、夫婦の寝室を覗くと、兄と兄嫁、そして8歳の甥が川の字になって眠っていた。

男は迷わず3人に近づくと、兄嫁から順番にその頭に薪割りを振り下ろした。苦痛にうめき、もがく3人。

「うるさいな、どうしたの」

男が振り返ると、襖の向うに11歳の甥の姿が見えた。

「うるさいのはお前のほうだ」

男はそう思うと、11歳の甥にも薪割りを振り下ろした。11歳の甥が動かなくなったところで、男は、部屋の電灯を点けた。

「やりすぎちゃったかな」

明るくなった部屋で、虫の息となっている兄嫁を見て男はそう思った。無論、自分の行為の残虐性を嘆いたのではない。男は、兄嫁のを吸いたかったのだが、薪割りで額を割られた兄嫁の顔を血まみれで、とても口を近づける気にならなかった。つまり男は兄嫁の命を惜しんだのではなく、そのを惜しんでいたのだ。

 を諦めた男は、その身体にしゃぶりついた。男は兄嫁のパジャマを脱がし全裸にすると、その全身をなでまわし、貪るようにその肌に舌を這わした。見た目通り柔らかさを増した兄嫁の肉は、本当に美味しそうだった。特に白く弾力性に富んだ兄嫁の太ももと尻を、男は何度も舐めまわした。

男は服を全て脱ぎ捨てると、あらためて兄嫁の身体に圧し掛かった。そして、抵抗どころか今や身動きひとつできない兄嫁の両足を抱えあげると、男は自分の肉棒を兄嫁の股間に突き立てた。久々に貫く兄嫁の陰部は、昔と同様に男を狂わせた。男は我を忘れ、兄嫁の身体を何度も突き上げた。男の目の前では、男に突き上げられた兄嫁の乳房が激しく揺れていた。

「前のときはこんなに揺れてたかな」

男はそう思いながら、腰の動きは止めず、その乳房を弄び、その乳首に吸い付いた。やがて迎える絶頂。男は一家のうめき声の中で、激しく雄たけびをあげ、兄嫁の身体に自分の精液を流し込んだ。

 男の兄嫁の肉体に対する陵辱は、その夫や子どもの目の前で貞操を奪い、犯すだけにはとどまらなかった。兄嫁のを広げさせた男は、その尻か太ももの肉を食べようとしたが、兄の家には菜切り包丁しかなく断念、すりこぎを持ち出して兄嫁の陰部を弄ぶなど、数時間にわたり兄嫁の肉体を陵辱した。

 そして、その間も、周りの兄や甥達がうめき声を上げると、彼は薪割りを打ち下ろしてまわり、結果一家全員を惨殺した。