とセールスマン

昭和の一時期を境にしてP化粧品の「男性セールスマン」が激減した理由は、顧客との性的不祥事が多発したせいかも知れない。

日常的に人妻と接する化粧品セールスの中には、常習的に「奥様」を誘惑する男も居た。
そして、拙宅に出入りしていた美容セールスも好色な男だった・・!!その頃の「男性美容セールスマン」は、奥様相手なだけに礼儀正しくて、容姿が整った男が多かった。

そして、彼らは女の扱いに慣れていた。
家に出入りしていた池谷という名の美容セールスは体格の良い美男で、はその男に好意を感じていた。

池谷はまだ若くて、三十路半ばの年齢。
年が離れた二人に「怪しい雰囲気」が漂い始めたのは、池谷が家に来てから数ヶ月後の事だった。
??池谷は長崎県の出身だった。
池谷が「田舎からの土産」だと言って「九十九島せんぺい」をに持参した事を、私は覚えている。

この男は、何かにつけて土産を持ってくる癖があった。
やがては池谷に気を許してしまう。
は高額な化粧品を毎月のように買わされた。
地方から東京に来た美容セールスにとって、そんなは貴重な上得意だった。

ある日の事、いつもは縁側で池谷の相手をするが、男を家に上げてしまった。
新製品である「美顔マッサージクリーム」のお試しが目的だった。
来客に見られるかも知れない縁側での美顔マッサージは、確かに具合が悪い。
は池谷と一緒に奥の部屋に向かった・・!!
陽の当たらない奥の座敷は薄暗かった。

畳の上に正対して座る二人の間に怪しい雰囲気が漂っているのを、私は感じた。
にしてみれば、夫不在の自宅に男を入れたのは初めての経験である。
しかも、相手はが好意を寄せていた美容セールスの池谷。
向かい合う二人の間に隠微な空気が漂うのは当然だった。

中学生の私が、表からは見えない部屋を裏庭から覗いた理由は、以前から二人の間に只ならぬ気配を感じていたからである。
薄暗い部屋の中で、先程まで快活に会話していたが押し黙った。

洗顔をするようにと池谷に促されたが洗面所に向かうと、池谷はの後を追った。
洗面所から水音が聞こえて、水音の合間に会話が聞こえた。
やがての声が静まると、の息遣いが漏れてきた。
「はぁ~っ はぁ~っ」と、の吐息は艶めかしい感じになった。
「うっふ~ん はぁ~っ」との吐息は徐々に深くなった。

初めて耳にした怪しい息遣いに胸騒ぎを感じた私は、洗面所が見える位置に移動した。
池谷はの後ろに立って、の背中を包み込む感じで立っていた。
を洗顔しながら、池谷はに何かを囁いた。
囁きながら池谷は、身体をに密着させた。
池谷の腰がに触れると、が身を固くする様子が見えた。

洗面器に向かって屈み込んだは、を後ろに突き出していた。
薄いスカートに包まれたに、池谷の腰は撫でるように擦り付けられた。
スルリスルリと、池谷の腰はを撫でさすった。
は肩を忙しなく上下させて、荒い息遣いを漏らした。

池谷の指は相変わらずの顔をマッサージしていたが、二人の下半身は別の生き物のように蠢いた。
やがて池谷の指がの首筋に下りると、池谷は徐々に腰を進めた。

は両手で洗面台の縁を掴んで背中を反らせると、顔を上げて顎を前に突き出した。
の腰は屈んだままだったが、の背中は徐々に反り返った。
やがて・の顔は斜め上を向いて喘ぎだした。

「あぁ~っ」という声がの口から漏れると、池谷はから股間を離した。
池谷はズボンの前に右手を下ろして「その部分」を修正した。
再び池谷の腰がに押しつけられると、は「う~っ」という呻きに似た声を漏らして背中を伸び上がらせた。

は顔を左右に振って、何かを振り払うような仕草を見せた。
池谷の部分は、ズボンの中で脈打っていた。
強烈な勃起はに押しつけられていた。

池谷の勃起は肉の間に嵌め込まれて、の性感を刺激しているように見えた。
尾骨付近に勃起を擦り付けられたは、膝を震わせて感覚に耐えていた。
それを見た私は喉が渇く程の興奮を感じた。

しかし・私の立ち位置は最悪で、二人が振り返ったら見られてしまう場所だった。
仕方なしに私は、安全に部屋が覗ける裏庭に移動した。

は顔を真っ赤にして部屋に戻った。
の顔には淫の相が浮き出ていた。
私は、この時に初めて・性的に興奮させられたの姿を見た。

足取りすら覚束ないは、身体を池谷に支えられていた。
畳の上に倒れ込んだは、既にスカートのサイドジッパーを開かれていた。
その姿は、いつもの取り澄ましたではなかった。
化粧を全て落としたの顔は強く上気していた。
性的興奮はの顔を妖艶に色付かせていた。
私は、初めて見るの顔色に驚かされた。

の顔には淫らな色気が漂っている。
それは、性的に熟した女だけが見せる猥褻さで、私の視線を釘付けにした。
「いやらしい顔だ・さんの顔はいやらしい」と、私は思った。

の表情は、あろう事か私の欲望すら刺激して、中学生の私を強烈な勃起へと誘った。
そして、この日以来私は、を覗いて自慰をする事が癖になった。
の顔を見て「いやらしい」と感じた私。
いつもは取り澄ましたの顔に淫色を見てしまった私は、「もっといやらしいが見たい」という欲望に抗せなくなった。

断っておくが、私が感じたへの感情は、近×××的な性欲ではない。
私はを犯したいと思った事など一度もなかった。
にもかかわらず、私が自慰をする時に想像する相手はいつもだった。

この時に見たの姿は、それ程までに猥褻だった。
を仰向けにした池谷は、ブラウスのホックを外して脱がせにかかる。
はされるがままになり、激しく興奮した顔を両手で覆ってしまった。
にとっては、背徳感こそが快楽の源泉だった。
罪の意識はの快楽を深くした。

は池谷に犯されながらも、はっきりと父を意識していた。
は父を裏切る自分の姿に陶酔していた。
「あぁ~いけません~池谷さん~あたし~あたし~あぁ~いけません~かんにんして~だめょ~かんにんして~」と、譫言のように声を漏らす
しかし、言葉とは裏腹にの顔は恍惚としていた。

の肉体は池谷の行為を受け入れて悶えた。
「おぉーっ 奥さん・もう僕は我慢できない・奥さん・我慢できない・」と池谷が上ずった声を出した。
奥さんが好きだ・奥さんが好きだ・我慢できない・もう我慢できないんだ」と池谷は興奮した声を出してに挑みかかった。
池谷もまた、目の前に横たわる肉体の獲物に興奮して我を失っていた。

「あなた~あなた~ゆるして~もうだめ~わたし~もうだめ~」とは声を出した。
しかし、は夫に許しを請うたのではない!! にとっては、背徳こそが快楽であり、意識せぬままには、不貞願望に囚われていた。

池谷に犯されながら、はその場には居ない夫の視線を欲していた。
そして、は、夫を裏切る自分の姿に性的刺激を得て激しく興奮した・・!! ついにの赦されざる肉欲は、池谷によってこじ開けられた。

「あなた~あたしもうだめ~がまんできない~がまんできない~」は声を出し続けた。
そしては、自分の言葉に興奮して肉体を開いた。
池谷にスカートを脱がされるとは狂喜した。
黒いパンティーを穿いた女体が悶絶する様は、直視できない程に猥褻だった。

池谷に股間を弄られるとは腰を持ち上げて喜悦した。
池谷の手がパンティーの上部に掛かると、は淫らな喜びを顔に浮かべて身悶えした。
パンティーを脱がされたは大股を開いて池谷を挑発する。

の部分は淫液を溢れさせて、池谷の指を濡らした。
池谷に肉芽を擦られたは泣き声を出した。
そしては腰を痙攣させた。
「あなた~あなた~あたしもうだめ~」
「きもちいいょ~きもちいぃ~きもちいぃ~」
「がまんできない~~きもちいい~きもちいい~」
と、は快感を示す言葉を連続して口にした。

池谷がズボンを脱ぐと、は池谷の勃起を見て驚愕した。
「あぁ~すごいわょ~池谷さんのすごい~こんなの初めてょ~」
「あぁ~すごいわょ~こんなに大きいの~すごいぃ~」
と、は勃起の大きさに驚いて目を瞠った。

後にの人格をも蹂躙する事になる池谷の男性器を見て、私は、その大きさに息を飲んだ。
それは、手で支えなくても天井を向いて屹立した。
太さはの掌では包みきれなかった。

池谷の男性器・それは、ポルノ雑誌で見た黒人のペニスに匹敵する太さと長さだった。
雁の部分が大きく張り出した勃起は見事と言うよりなかった。
「私のチンコは奥様じゃないとダメなんです・若い女じゃ入らないんです・けど・奥様の中に入れたら女は泣き狂う」
と、池谷は誇らしげに勃起を見せつけた。

は、恐る恐る黒い怒張に手を伸ばして指を絡めた。
そして、感嘆の溜息を漏らした。
「すごいわょ~池谷さんの・すごいわょ~」との声。
池谷の勃起は強く上反りした黒色だった。
「すごいわ~脈打ってるわょ~太いわょ」
は言うと、いやらしい好色の目付きで勃起を見た。

池谷の勃起を弄るの姿を見て、私は絶望的な気持ちになった。
「なんてスケベなんだ!!」と私は思った。
実のが目の前で男の勃起を弄っている。
しかもは自身の性器を男に曝していた。

私はの肉体をまじまじと眺めた。
そして、女体の猥褻さ・いやらしさに圧倒された。
美人で上品で理知的だとばかりに思っていたが、こんなにもいやらしい肉体の持ち主だったとは・!! の肉体は息子の私を性的興奮に叩き込んで、ついに私はオナニーを始めた。
の裸体や行為を見て自慰する事は罪深い。
しかし、私は誘惑に抗せなかった。

ズボンから勃起を引き出して擦ると、忽ちに快感が湧いてきた。
私はの肉体に目を凝らして行為を続けた。
の陰部は私の位置から丸見えだった。

絡みつくような淫らな視線を池谷の勃起に這わせていたは、勃起の胴を掌で包むと、ゆっくりと前後に摺り始めた。
の性器は縮れた黒い陰毛に覆われていた。
着衣の姿からは想像も出来ない程にの淫毛は濃かった。

いやらしく変色した分厚い淫扉の間からは体液が溢れて、は自らの淫液を指で掬うとそれを池谷の勃起の先端に擦り付けた。
は池谷の怒張に指を絡めると、ゆっくりと前後に摺り始めた。

は左手で胴の部分を掴んで、右手の指で雁裏の部分を擽った。
は恍惚とした視線を勃起に這わせて行為を続けた。
その頃のは、地元では目立ちすぎた女だった。

池谷はに憧れていた。
美人の誉れが高くて、周囲の女から嫉妬混じりに「お高い女」と陰口を言われていた。
には、並の男達など近寄らせない雰囲気があった。
そのが池谷の勃起を弄って恍惚としている。
遂にを誘惑した池谷が、強く興奮したのも当然だった。

池谷はの事を「奥さん」としか呼ばなかった。
と池谷は性行為だけの関係だった。
と池谷では生い立ちや境遇が違いすぎた。
そして、池谷は高嶺の花であるに、屈折した感情を抱いていた。
憧れと憎しみ。
池谷はに複雑な感情を抱いていた。

倒錯した池谷の感情は、に対する苛烈な性欲をもたらした。
そして池谷はを犯して淫乱に堕とそうとした。
そしてその事は、手が届かない世界の女への残酷な復讐だった。

池谷は、自分が知っているあらん限りの淫技をに教え込もうとした。
高慢ちきで気取った女を淫乱にしてやる!!と、池谷は暗い欲望をに向けた。
そして、池谷の倒錯した欲望はを狂わせた。

池谷にとってのは遠い世界の女だったが、もまた自由の無い囚われ人だった。
は「家」という目に見えない柵に取り囲まれて、悶々とした日々を過ごしていた。
どんなに押さえようとしても湧き出してくる女の本性に悶えるは、いつしか不倫願望を秘めた女になった。

そして、自分を縛って抑圧する「家」と「夫」を、は、ある時から強く憎むようになった。
そんなの性欲処理は孤独なオナニーであり、想像の中でを犯す男は、断じて父ではなかった。
この時期、意識の中でを犯し続けたのは、池谷だったのかもしれなかった。
逃れられない肉欲に苛まれたは、深く懊悩したに違いない。

しかし、悩んでいる間にも湧いてくる淫欲に救いは無かった。
が池谷と知り合う前まで貞女だった事は、まったくの偶然に過ぎない。
そして、禁を破ってからのはいよいよ淫乱になった。

舐めてください・奥さん舐めてください」と池谷はに要求した。
池谷はの指で摺られていた勃起をの口に押し込もうとした。
「いゃ~いゃょ~そんなことできなぃ~いゃ~いゃ~っ」
は激しく顔を振って拒絶した。

その時代に「フェラチオ」という言葉を知っている人など居ない。
言葉は丁寧だったが、池谷の要求は過酷だった。
楚々とした受け身の性行為しか知らなかったには、いきなりのフェラは無理だった。
この時までのは、「奥様のお勤め」としての性交しか知らなかった。
信じられないかもしれないが、この頃のは、父との行為よりもオナニーで欲望を満たしていた。

フェラを諦めた池谷は、今度はの太腿を開かせて陰部を弄り始めた。
「おぉ~っ いやらしいオマンコだ」と、池谷はに言った。
「いゃ~恥ずかしいです~恥ずかしいです~」との声。

「クリが大きい・奥さんのクリトリスは大きい・奥さん・・弄ってるんでしょ・・毎日弄ってるんでしょ・・でなければこんなに大きくはなりません」「奥さんはスケベだ・・白状してください・・自分で弄ってるんでしょ」と、池谷は言葉でを責めた。
その間にも池谷はの勃起したクリトリスを弄り続けた。

「教えてください・奥様・どこで弄ってるんですか・? 一日に何回ぐらい弄るんですか?」 「正直に言ってください・毎日弄ってるんでしょ・?」と池谷はたたみ掛けた。
「淫液が凄いです・指を入れて欲しいですか? 奥様・言わなければしてあげませんよ」と池谷はを責め続けた。

「あぁ~池谷さん~きもちいいです~きもちいいです~」
「言いますわ~言いますわよ~わたし~毎日してますわ」
と、は遂に告白した。

「どこで覚えたんですか・自慰をどこで覚えたんですか」
と池谷に訊かれると、の答えは私を驚かせた。
「女学生の頃よ~お友達に教えられて~いやらしい本も見せられて~あれを覚えたらやめられないわよ~」
と、は話した。

「おしっこすると濡れちゃうの~感触が生温かくて~テッシュで拭うときもちいいのよ・もう我慢できなくなるわょ~そのまま立って自慰するわよ」
「女学生の頃は電車の中でも触られてたのよ・それは毎日よ・女だって興奮するわょ~家に帰って部屋に籠もって・セーラー服も脱がないでスカート捲って・ズロース下ろして弄ったわよ~」
告白した。

電車が混んでたのよ~だから毎日触られてたのよ」
は池谷に言った。

の女学生時代は戦後間もなくの復興期だった。
18歳の時に出産している。
昔の女性は早婚だった。