街で年に一度行われる夏祭り。
普段は人もまばらな大きな公園に出店が軒を並べ多くの人が立ち寄っていた。
「フン♪フフーン♪やっぱりお祭りの雰囲気って素敵?」
出店の並ぶ公園通りの雑踏を軽やかに歩く浴衣の少女が一人いた。
紺の浴衣は涼しげで、歩くたびに後で束ねたポニーテールが揺れる。
彼女の名前は小夜。この街の女子校に通う女の子だ。
「彼氏がいたらもっと素敵なのかなぁ?・・・」
小夜は少しムムムッっといった表情で立ち止まる。
共学なら間違いなく男子は放って措かないほど可愛らしい容姿。
だが、女子校に通うせいか今だ異性に縁がなく彼氏も出来た事が無かった。
「う?ん、でも私にもいつか素敵な彼氏できるよね♪」
そういって表情を戻し、再び通りを歩き出す。
お気に入りの浴衣を着て、祭りの出店をただ見て回るだけでも彼女は楽しいのだった。
だがその時、自分の後ろを付ける男達がいる事に彼女は気付いていなかった・・・
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