送迎バスの中は、園児の声が響きわたっていた。
理緒はこの春、短大を卒業し、幼稚園の年中組の先生となった。
バスは住宅街の道端に止まった。
「おはようございます。」理緒はバスの扉を開け、園児に朝のご挨拶をした。
道端には園児が3人とその父兄がバスを待っていた。
「おはようございます」「おはようございます」「おはようございます」園児たちは一人一人、理緒に挨拶をして、バスに乗り込んだ。
理緒は付き添いの父兄たちの中に何時もいる、自分の担当している組の母親が、居ないのに気付いた。
「今日、裕太君のお母さん、いらっしゃいませんが、どうしました」父兄の後ろの方の男性が、「今日、妻が風邪をひきまして、代わりに私が見送りに来ました」男性の名は俊彦、年の頃なら40代、髪はもしゃもしゃのいかにも中年と言う格好であった。続きを読む
理緒はこの春、短大を卒業し、幼稚園の年中組の先生となった。
バスは住宅街の道端に止まった。
「おはようございます。」理緒はバスの扉を開け、園児に朝のご挨拶をした。
道端には園児が3人とその父兄がバスを待っていた。
「おはようございます」「おはようございます」「おはようございます」園児たちは一人一人、理緒に挨拶をして、バスに乗り込んだ。
理緒は付き添いの父兄たちの中に何時もいる、自分の担当している組の母親が、居ないのに気付いた。
「今日、裕太君のお母さん、いらっしゃいませんが、どうしました」父兄の後ろの方の男性が、「今日、妻が風邪をひきまして、代わりに私が見送りに来ました」男性の名は俊彦、年の頃なら40代、髪はもしゃもしゃのいかにも中年と言う格好であった。続きを読む