今日も、あの男はやってきました。
いつものように主人と子供を送り出した時間帯を狙って・・・。
ゴミの処理を済ませて、マンション下の広場でご近所の方と立ち話をしていました。
ふと、遠くを見ると、あの男がこちらに歩いて来るのです。無精ひげをはやしたあの醜い男が。私は背筋に悪寒を感じ、何とかあの男に見つからないように、その場を立ち去ろうとしました。
でも、次の瞬間、そんな私の想いははかなく崩れさりました。なぜなら、あの男と目線があってあってしまったからです。一瞬、私はあの男が、ニヤリとしたように感じました。 そして、次には私に対して、顎で合図を送ってきました。それはまさに「早く、家に帰れ」という私への命令でした。