人々が通学、通勤に足を運ぶ駅。
30階を越える巨大なオフィスビル、そして午後、買い物客でにぎわう地域に浸透するスーパーマーケット……どこにでもある、いつもの光景。
しかし、そこには現代の我々から見て、ひとつの大きな違和感があった。
どこにも“男性”の姿が見えないのだ。
一体、いつの頃からだろうか。
教科書からも消えたその歴史を知る者はもういない。
それでは、男はどこにいったのだろうか?……この時代、男性が人々の目に触れる場所は限られている。
そのひとつが、デパートの地下にある、生鮮食品売り場の一角にある食肉店だ。
店先には、牛肉、豚肉、鶏肉と並んで大きく“男肉”と書かれていた。-----続きを読む